企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
管理力
2022年2月号
「現状維持」の発想は 衰退を生み出すのみです

現場の仕事の有意義性を語り、業務の効率化を促進する力が管理力です。中小企業の平均付加価値額は五三四万円です。これでは賃金アップは空理空論になり、いっそう企業の宝である「有能な人」が雇用できなくなります。
人的ミスを減らせば生産性は上がる
中小企業で最大の機会損失は、報告・連絡・相談・確認の欠如から発生しています。企業の目的は「顧客の創造」であるにもかかわらず、顧客活動が芳しくない中小企業が多いのです。情報収集の欠如です。
また、意思決定をしても、その大切な意味や目的を確認しないで、一面的な判断で現場に報告すれば、現場のコミットメントは下がります。結果、掛け声だけの未達成で終わっている企業が多いのです。
ドラッカー博士はマネジメントを、組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関と定義しています。単なる上から目線の管理監督業務ではありません。あくまで顧客活動が上位概念であり、ここでいう成果も利益の最大化ではないのです。成果とは顧客の満足だと述べているのです。結果として、高付加価値経営となり、利益の最大化にもつながります。
顧客数の減少は危機の予兆であり、単にコロナ禍だけの問題ではありません。管理力とは「顧客を創造する力」であり、そのための「顧客の満足を生み出す力」なのです。デジタルを武器にすべきです。
「顧客の創造」や「顧客の満足」のカギを握っているのがマネージャーといわれる、マネジメントを実践する人の仕事の知識力です。仕事を生み出し、仕事を組み立て、仕事のスタートとゴールを明確にできるナレッジ(知識)が必要です。
仕事の意味を明確に伝えるためのコミュニケーション能力、仕事の前準備の緻密さも仕事のナレッジに入ります。仕事に取り組む現場力の強化も大切で、社長の経営戦略参謀としての情報収集力や、自社の企業体力の認識も、戦争でいえば正しい兵站の把握であり、ナレッジです。そこからいくつかの経営戦略の素案をつくる企画力もナレッジが必要です。
情報・兵站・作戦の三つの要素を持つことが、社長の経営参謀役たる幹部の存在理由です。学べば誰もが身につけられます。
企業成長のための「ジョブ・ナレ」
企業は成長するか、現状維持で行くか、衰退の一途に甘んじるかの三つの選択があります。しかし、市場の原理から言えば、現状維持の発想は衰退を生み出すのみです。怠慢ともいえるでしょう。
顧客の創造と満足を両立させるには、他社よりも顧客価値を高めるしかありません。中小企業の強みはチームワークです。一人ひとりの目的への参画意識を高めるには、チームが果たすべき目的の明確化と、目的を成し遂げるべく個人個人の自発性が必要です。企業独自のミッションや、なぜこの事業を始め、なぜ今も行っているかという定義も重要です。目的を共有することで真のチームワークは生まれます。そのためのツールとして「ジョブ・ナレ」を開発しまし
幹部の知識不足は、有能な部下を無能にし、せっかくの経営方針も無意味にします。社長の戦略参謀として、経営幹部の知識や情報力は、企業永続には欠かせぬエンジンの役割を果たします。
本記事は、月刊『理念と経営』2022年2月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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