企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
管理力
2022年1月号
うろたえず、有頂天にならず、堂々と次の手を打て

管理力が一番問われるときです。コロナ禍で分散した人の心をまとめる組織マネジメントの力量が問われています。
自己防衛はマネジメントの最大の敵です。明徳を明らかにし、民に親しみ、至善に止まるときなのです。
【逆風をプラスに切り替える】
コロナ禍が長引き、多くの企業で人心の分散が起きています。大手企業でも会社によって違いがあるようですが、
長いリモートワークにより精神的なストレスを感じている人がいます。こういうときこそ「民に親しむ力」が求められるのです。どんどん現場に入って、働く人の意見を戴を「管理力」というのです混乱のときこそ、経営幹部は「うろたえず」「有頂天にならず」に、堂々と次に打つ手を考えてください。どんなときにも可能性はあります。具体的な打つ手を社長に進言するだけの人間的力量が問われています。
「知恵は現場にあり」です。現場は、意外なほど未来を切り開くきっかけを持っています。現場にはお客様の声も入ります。ある企業は来店型の仕事でしたが、幹部が自主的に動いてお客様から下摯に困りを聴くことで、創業以来の最高益を記録しています。まさに管理力の発揮です。自分で物事を深く考えることで、コロナ禍という逆風をプラスに切り替えて最高益になるビジネスモデルを築きあげたのです。固定観念が強くては新しい発想は生まれません。
また、商品も同じ、お客様も同じ、ビジネスモデルも同じなのに、好業績の企業もあります。
「学ばなければ、意識を変えていかなければ、わが社の未来はない」という社長の考えに、頑なに反抗的だった幹部が、真に社長の気持ちを汲み取り学ぶようになったのです。その結果、前年度〇・二%だった経常利益率を一五・六%まで高めたのです。学ぶとは「覚る」という意味です。つまり、幹部として学ぶとは自分の立ち位置を覚ることです。自覚を持つといってもよいでしょう。部長や所長が持つべきなのは自分の役割・権限・責任・義務の自覚です。
【幹部が立案し社長が意思決定する】
特に取締役などのトップマネジメントになると、今のような有事のときは素早さが求められます。次々に起きる事象に振り回されるのではなく、①私心を捨てての顧客のためになるか、②自社のためになるかの判断を社長に提案するのも管理力です。社長は長期的に物事を見つめ、幹部は一、二年の短期的な探索機能を働かせるのが理想です。
かつて日本型企業が世界の経済界を風廳し、各分野で次々に世界のナンバーワン企業になっていったのは、
管理力が最大効果を発揮したからです。つまり、管理力とは、情報収集能力に優れているということです。
SNSの時代になり情報は簡単に入手できるようになりました。しかし、管理力とは誤った情報に惑わされないだけの見識・判断力を備え持つということです。歪なマインドは歪な事象に惑わされます。管理力には、まさに松下幸之助翁が言われている、素直な心、素直な視点、素直に挑む精神的な態度が不可欠です。
そうでなければ一近娜の判断しかできなくなります。管理力とは、一番難しくかつ重要なこの判断力なのです。
日本型企業が世界的に注目されたのは、幹部が最大に活躍した時代です。与えられた目的の下、①自らの意志で情報を収集し、②自社の兵鼓を徹底して調査分析し、③その上で目的を達成する具体的な戦略を複数立案しました。それを④社長の前でプレゼンテーションし、わかりやすく提案したのです。
幹部が提示した戦略を社長が意思決定します。
本記事は、月刊『理念と経営』2022年1月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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