企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

最大の敵は、心の中に巣食う“逃げ道”である

人材育成はいつの時代にも事業成功の最大ポイントです。コロナ問題は深刻ですが、人間は長い歴史的危機を幾度も乗り越えてきました。危機突破には経営意識を持った人の力や知恵が最大の武器になるのです。

一番の問題は経営意識の弱さ

   経営幹部として苦難の道を歩いておられることでしょう。今は新型コロナウイルスという見えない敵と戦っていますが、時が来れば必ず解決する英知を人間は持っています。
最大の敵は「うちの会社はもう駄目だ」「うちにはいい人財がいない」という、心の中に巣食う"逃げ道"です。中小企業の一番の問題は、社長や幹部、社員さんの経営意識や起業家精神に弱い部分があるということ
です。これは中小企業の問題だけではなく、日本という国家の問題でもあるのです。
起業家精神の弱い幹部が父親や母親になると、その子どももいつの間にか依存体質の甘えっ子人間となります。教育の問題は、①学校教育が悪いのか、②教育基本法に明記されている親の責任なのか、③教師の問題なのか、④国に明確な教育理念が存在せず政策が曖昧なのか、⑤時の為政者たちのリーダーシップの問題なのか、という論点に分かれると思います。
そうした議論を少し広げて考えてみてください。子どもの教育はやがて社会人として入社したとき、その会社の業績に大きな影響を与えます。さらに社会の風潮となり「お国柄」をつくるのです。この悪循環が進むと、やがて働く場所の喪失になっていきます。
他人原因論は、企業内においても、社長が悪い、幹部が悪い、社員が悪いと、不毛の議論に発展していきます。個人的な見解を述べると、私は結果として親の問題が根っこにあるように思います。

今こそお客様を「第一優先」にしよう

   「教師や牧師は、人々の心を外側から動かしてやることはできる。しかし、人を重要な行動に踏み出させるのは、やはり、その人自身の心の内側にひそんでいる意志の力である。人はそれぞれに努力して、自分の意志を
鍛錬しなければならない」(サミュエル・スマイルズ/竹内均『人生成功!努力の法則』三笠書房)
つまり、われわれはどんなに困っても、自社の問題は自社の力で解決しなければならないのです。神様も仏様も救ってくれるわけではなく、日頃怠けておきながら、国を頼るのでは真の解決策にはなりません。社長
力・管理力・現場力の三位一体でこの新型コロナウイルスに挑まなければならないのです。それぞれ社長の立場、経営幹部の立場、現場の人たちの立場で果たすべき任務は違っても、共通目的はこのコロナ問題の克服にあるのです。
そのために、まずやるべきことは、お客様の問題や課題、解決したい事柄を確実に把握して、こういうときこそお客様を第一優先すべきでしょう。コロナ問題は必ず解決します。時間差があり、それまで持ちこたえられるかどうかだけなのです。
「評論家的に経営を語る人は『そんなのぶち壊してしまえ』と気軽に語るが、それで既存事業そのものが壊れてしまった場合、イノベーションへの投資原資はどこから持ってくるのか!?お気軽評論家たちは壊れた事
業の厳しいリストラで返り血を浴び、資金繰りに奔走したことがあるのか!?」(富山和彦『コーポレート・トランスフォーメーション』文藝春秋)
冨山和彦氏は弊誌にもご登場いただいていますが、氏が述べられるように体験のない安易な評論家の意見に流されるのではなく、それはそれとして参考にし、最後は自らの意思で問題を解決しなければいけないのです。

本記事は、月刊『理念と経営』2021年2月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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