企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

嘆くよりも先に思い切った改革に乗り出せ!

新型コロナウィルス問題は深刻です。こういうときにこそ求められるのが管理力です。自社の経営資源の強みを最大限活かす力が幹部の力です。「足らざるを嘆かず、今あるものを活かす」、その力を発揮する時代が到来しました。

今こそ新しいやり方に取り組むチャンス

 小売業世界最大手ウォルマートの創業者、サミュエル・ムーア・ウォルトンの幼少期はと貧しく、一ドルを稼ぐのに相当の苦労をしました。しかし、いつもその苦労を苦労と思わず、どうすればうまくいくかを考えていました。それが習慣となり、企業経営の知恵として学び、身に付けていたのです。
 大学に入ったウォルトンは、授業料はもちろん、食費や衣類など生活費のすべてを自分で稼いでいます。それだけではありません。新聞配達の仕事で部数を増やし、何人かを雇ってそれなりのビジネスにし、大恐慌の末期にしてはかなりの高収入を得ています。なければ「つくればよい」のです。ウォルトンのシンプルな哲学です。
 管理力とは、今ある経営資源をどう組み合わせるか、その力のことです。うまくいかない人は、ないことから先に探し出してくるのです。「こうしたい」「ああしなければ」という気持ちはあるのです。しかし、それ以上になくてはならないのは「なければ、創意工夫してつくる」という強い気持ちです。
 コロナ危機の影響で苦しいのはわかります。売り上げゼロの日が続けば誰もが弱気になり、悲観的にもなるでしょう。しかし、経営幹部の腕の見せどころは、嘆くよりも先に思い切った改革に乗り出すことです。従来のやり方でうまくいかにことはすぐにやめて、新しいやり方に取り組むチャンスなのです。
 うまくいかないのは、悪い習慣やしきたりをそのままにしているからです。すぐに社長に中止を具申すべきです。余分なコストをかける余裕はありません。
 コロナ問題を機に、良いことと悪いことを素早く仕分けして、良いことはさらに強化すべきです。他社も困っているわけですから、自社の良いところを強化することは、さらなる差別化のチャンスです。

最大の強みが、破綻をもたらすことも・・・

 新型コロナなどの非常時には、強みと同時に弱みが一気に顕在化します。多くの人はその顕在化した弱みに茫然として、その現実から目をそらしてしまいがちです。しかし、そこで一工夫してみると、まさに“瓢箪から駒”のように、意外に予期せぬようなことが起きるものです。
 物事には必ず二面性があります。強みをマイナス面からみると。①他社からまねされやすい、②安心してしまう社員が増える、③結果として胡坐をかいて傲慢になってしまう、④油断してしまう—などが挙げられます。
 身近な事例で言えば、家電のシャープです。創業者の早川徳次さんの不屈の精神を受け継いで生み出された液晶技術は、世界で飛び抜けて優秀だったことから、安易な設備投資を行いました。その結果、海外勢との価格競争に負けたのです。典型的な油断が招いた結果であり、最大の強みが破綻のきっかけになったのです。
 逆の観点からみると、自社の弱みから目をそむけてはならないのです。管理力とはマイナスをプラスにしていく力のことです。これからの経営不況に備えて、自社の弱みを逆手に取ってイノベーションを促進するべきです。つまり、管理力とは日頃からリスクを考え、いつ起こるか、どういうときに起きるか、起きたらどう対処するか、を考えておくことなのです。
 コロナ危機の今だからこそ、自社の事業や商品や部門の弱点を素直に認めて、それを克服する具体策を練るのです。創意工夫して答えが出れば、それを実行し改革すれば、まさにマイナスをプラスに変えたことになるのです。嘆いても始まりません。

本記事は、月刊『理念と経営』2020年8月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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