企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

「意を注ぐ」から、部下がそれに応えて成長していく

新型コロナウィルスの問題で、台湾はいち早く情報を収集して応対し、次々に手を打って国民を守っています。欧米は中国が収まりかけてから、慌てていろいろな「緊急事態宣言」を出して混乱しました。いざというときのマネジメントが機能していません。

新入社員を放置してはいないか

 社長力で、各管理階層の力量と気づきの力や判断力を、少し乱暴でしたが、事件や問題が起きた時の処理能力としてパーセンテージで述べました。
 新入社員に仕事の結果を多く求めてはいけません。習熟度は0に近いのです。判断の仕方も、情報をどう収集していいかもわからないのが当然です。たとえ失敗してもやみくもに叱ることをしてはなりません。
 するとすれば「注意」でしょう。注意とは「上司が部下に対して意(意識・心)を注ぐこと」です。情緒や幹部は新人社員を放置するのではなく、絶えず注意して深く育て上げることです。
 管理力とは部下の成長に関心を持つ力のことをいいます。意を注ぐから部下はそれに応えて成長していくのです。
 ある営業所の副所長を務める女性スタッフが、会議の議論が行き詰ったとき、「会社は何のために人を採用するのですか?」とメンバーを一喝しました。この短い本質的な言葉に心を打たれました。私を含めて、管理階層の上層部はこの当然のことをわからないまま放置しているのです。明確に部下に理解させていないのです。自社にもこういうことがないだろうかと考え、私は帰りの新幹線でしきりに彼女の発した言葉をつぶやいていました。
 この副所長の一喝は、さらに次のように続きます。
 「会社は何のために人を採用するのですか。会社の課題や、お客様の課題達成のためでしょう。うまくいかないのはわれわれ上司が当たり前のことを指導していなかったり、当然の任務を果たしていないからだと思います。だから、やって当たり前の責任が曖昧なままになっているのです。」

各国トップの使命感や問題解決能力

 新型コロナウィルスの問題に照らして、この副所長の真意を読み解いてみたいと思います。事例は、台湾の蔡英文政権、中国の習近平主席、日本の安倍晋三総理、アメリカのトランプ大統領の問題解決能力と、各国のトップリーダーとしての使命感という観点です。
 前提は「国のトップは何のために採用されているのか」であり、ここでの立論は「トップは国民の問題を解決し、国民の課題を達成するために採用されている」ということです。もちろん、自分本位の私心だらけの意思決定は不可欠です。世論は、「私心なく動いたのは台湾政権」という声が多いようです。
 最大の罪は中国の習近平国家主席でしょう。世界保健機構(WHO)のテドロス事務局長と一緒になって隠蔽工作をしたことが、パンデミック(世界的流行)の原因だと噂されています。
「中国ウィルス」と言われて怒るようでは、発生を引き起こした国のリーダーとしては尊敬されません。

本記事は、月刊『理念と経営』2020年7月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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