企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

「人づくり」に時間を活用し未来をつくり出そう

時間の使い方は、その人の経営幹部としての義務感を表します。義務というと、古臭いイメージが付きまといますが、「義(ただしく)務めること」を指します。自分が選んだ任務をきちんと全うしているかどうか、素直に見つめてください。

時間の重要度の第一は人材育成と部下指導

 イタリアの経済学者であるパレートは、「二対八の法則」を説きました。この法則は時間にも当てはまります。八割の成果は二割の時間 の集中によって決まります。
 経営幹部は、自らの時間分析を行い、マルチタスクをこなしながら、優先順位を明確にして時間管理をすべきです。社長力とは未来をつくり出すことに二割の時間を集中することであり、管理力とは徹底して、未来をつくり出すための原を稼ぎ出すことです。
 未来をつくりだす第一の原資は「人財」です。人が未来のためのアイデアを生み出し、そのために「今日の飯の種」をつくり出しています。人財なくして企業の発展はありません。つまり、管理力とは、人材育成能力であり、人づくりに集中的に時間を活用する力です。
 未来をつくり出す第二の原資は「今日の飯の種」です。いくら夢やビジョンがあっても、米びつに一粒の米もなければ、社員さんを雇用することも社長を補佐することもできません。売り上げを上げて利益を上げなければ、企業の命は続きません。企業の命を維持するには、お客様の存在が欠かせません。お客さんの満足を含めた「顧客活動」が管理力であり、今日の飯の種を生むのです。
 顧客活動とは、新しいお客様を毎年毎年増やし続けることです。商品の陳腐化を防ぎ、新新技術を生み出し、時代の変化に応じて新サービスを提供していかなければいけません。結果として「人が主役の経営」をしていくべきです。人財育成、部下指導の能力こそが管理力であり、時間の重要度の第一にきます。

最大の支援とは「あなた自身の成長」

  部下は幹部であるあなたのリーダーシップや、部下を根底から愛するコミュニケーション能力を見ています。もっとも聖人君子ではありませんから、100点満点というわけにはいきません。誰もが強みもあれば弱みもあります。強みだけの人間はどこにもいません。
 ただ、部下を愛し、部下の人生や命を預かっているという意識は、コミュニケーションが下手でも、必ず部下にも伝わるのです。あなたが自分を愛してくれる人に好感を抱くように、部下も自然に理解してくれます。もちろん、伝えるスキルも重要です。
 部下は仕事の厳しさに耐えることはできますが、無関心さには耐えることはできません。マザー・テレサの「愛の反対は憎しみではない。無関心だ」という言葉は真理です。管理力とは自分の業務を全うしながら、部下の成長に関心を持つことです。
 また、社長への支援も大事な管理力です。ペコペコするのではなく、社長への最大の支援とは「あなあた自身の成長」です。自分の価値に気づき、自分の可能性に気づき、自分の力量を徹底して磨くことです。幹部として向上心に欠け、立派な人間になろうという自分への関心がなかったら、それは社長への背信行為です。
 二対八の法則とは、二割の事柄に集中して時間を使うことです。つまり、部下、自分、お客様に対して時間を集中したら、八割のWORKは必ず達成します。企業経営はDO(作業)、WORK(仕事)、PLAY(創造的業務)が幾重にも重なって立派になっていくのです。目先の仕事は大事であり、今日の飯の種は欠かせません。それだけに管理力の強化とは、幹部であるあなたの成長以外ありません。

本記事は、月刊『理念と経営』2019年12月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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