企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

古い思考のままでは経営革新どころではない

立派な一輪の花として咲くまでは、「草」と蔑まれる時期もあります。人生も企業経営もまったく同じです。しかし、そこで諦めるのではなく、絶えず心新たに挑んでいく力を管理力というのです。社長を支え部下を育て実力を磨がきましょう。

自己の花を咲かすには一定の学習量が要る

成功している企業には、必ず素晴らしい経営幹部がいます。社長一人では本当に価値ある企業はつくれません。幹部のマネジメント能力が問われる時代です。部下育成、マネジメント、マーケティング、販売戦略などは当然、身に付けていなければなりません。
私は多くの企業を見てきました。日創研の「新しい時代の社長学」でも五〇社限定で一年間のプログラムを行っていますが、経営感覚を身に付けるには、それなりの時間が要ります。
「シグモイド曲線」という、学習量とスコア(得点)の因果関係の計算式があります。あえて計算式は避けますが、簡単に、生卵をゆで卵にする例えで説明します。
五〇度の温度では永遠にゆで卵にはなりません。形にするためには、一定の熱量がなければ花は咲かないのです。同じように自己を立派に花咲かせるまでには、一定の学習量や考える時間が必要になります。まさに、咲くまでは「草」と呼ばれる忍耐の時が要るのです。
与えられることが当然となり、危機意識もない人たちはまるで温室の花であり、上辺の美しさだけで競い合っています。しかし、「草」のような逞しさはなく、いざという時に温室から出た花はすぐに萎れてしまうでしょう。
現在の日本人の七四・七㌫の方々は現状に満足しているようです。おそらく、そういう国は他にないでしょう。良い国であることは誇りです。しかし、国の衰退を止める力にはなり得ません。東京大学の玄田史教授の調査では、希望を持つ日本人はドイツなどと比較すると圧倒的に低いのです。
この二つの調査から想定できるのは、まさに現状維持の精神状態ともいえますし、未来に目を瞑る人の多さだと思います。

勝負している人間は欲求の塊なのです

幹部は温室の花であってはなりません。自社の経営コンセプトや経営理念の理解、立派な幹部として経営感覚の確立ができるようになるまでは、学習量を増やし、それに伴う思考量を増やす必要があります。体験も重要で、簡単にいえば、そうした理解過程の総和を「シグモイド曲線」と呼んでもよいかと思います。
幹部で、自ら真剣に学ぼうとしない人がいます。管理力に欠け、部下に愛情もなく、部下教育もせずに放任主義なのかもしれません。
古い知識と思考の癖がついたままでは、経営革新どころではありません。今さえ良ければいい、自分さえ良ければいい、ここさえ良ければいいという、諦めの社風ができるのです。
もちろんこの問題は、国家の問題でもあります。経済同友会代表幹事を退かれた小林喜さんほど、経済界で本音を言える人はいませんでした。辛口でありながら、政府の政策の課題点や、日本人が罹っている〝日本病〞を指摘された方です。
日本は技術的にも、経済的にも、人間本来の向上心においても、世界に敗北していると指摘し、「内閣府の二〇一八年夏の調査で、国民の七四・七㌫が現在の生活に満足している。僕からすれば異常。勝負している人間は欲求の塊なので、本来、満足するはずがない」と述べています。

本記事は、月刊『理念と経営』2019年7月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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