企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
管理力
2018年2月号
部下は皆、成長して「人の役に立ちたい」と思っている

社長のリーダーシップの杖となり、幹部としてのフォロワーシップを発揮して、成長の機会の場と、部下への面倒見のよさがあれば、必ず働く人びとは期待に応えます。リーダーシップとフォロワーシップの両輪を管理力というのです。
学生は誰一人として脱落せず、私の講義を真摯に聞いていた
ある大学の授業を一年間、引き受けたとき、長男が心配そうに今時の学生に対するアドバイスをしてくれました。
「親父は学生気質とか、今の若い人たちの甘えを認めないと思うよ。だから、学生が授業中にサンドイッチを食べたり、出たり入ったりしても叱ってはいけない。彼らはそれが当たり前だし、途中から平気で授業を抜け出しても怒ったら駄目だよ」
私は笑いながら、「学生や若者たちの責任ではなく、きちんと指導できない、大人の責任なのだから、俺流でやるから心配しなくてもいいさ」と伝えました。
長男が言うようなことは一切起きず、授業内容は「コア・コンピタンス経営とCS経営」に関することでしたが、途中で抜けるどころか、飲んだり食べたりする学生もいませんでした。胸を張って学ぶという意味づけと、生きるという本質の課題を事前に伝えた上で授業に臨みました。若者は本質を求めているのです。
私は今でも、小学校5年・6年のときに担任だった先生の生き方や指導に、影響を受けています。人間の根底には、①成長したい、②立派な人間になりたい、③人の役に立ちたい、という三要素が備わっているのです。違いはそれをどれだけ確信しているかどうかだけです。
学生たちは誰一人として脱落する者もなく、授業が終わってからも、学生食堂で気楽に質問に答えながら、ディスカッションをしました。
「七つの計とは何か」を考えるのが管理力である
職場でも成長したいという人間の本性を信じる気持ちをもち、きちんとコミュニケーションをとる力が幹部にあれば、必ずその期待に応えるのが人間の本質なのです。明確な生き方や哲学を上司に説き、注意すべきところは注意し、承認するところを明確に承認すれば、働き方改革をてこにして生産性を上げることができます。
本記事は、月刊『理念と経営』2018年2月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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