企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論

「可能思考能力」の発揮こそが差別化を生み出し、企業を救う

あなたの会社は、問題解決の先送りや、人財育成の先延ばし、課題達成の曖昧さが企業文化として巣くっていませんか。情報の共有に必要なマネジメントの基本は、報告・連絡・相談・確認なのです。

ホウレンソウと確認の欠如が致命傷となったシャープ

「組織」は生物学や医学用語としても使われます。人体は一つの組織であり、部分の損傷は全体を蝕みます。胃の調子が悪いときには「胃の組織を調べてみましょう」と、一部の胃の組織をとって全体の診断を下します。一カ所のがん細胞を放置しておくと、胃の中だけではなく、あちらこちらに転移していきます。

同じように、営業所からの「現状報告」が遅れると、それらが全体の問題として社会的な批判を浴びる結果になります。大きな情報誤差が起きると、社長の判断にも悪い影響を与えます。その意思決定は会社の浮沈に関わることになるのです。

管理力とは、現状分析を的確に行い、自社を取り巻く脅威を正しく認識する力のことです。正しい認識の欠如は判断を誤らせ、大きくなれば経営危機を招きます。早川徳次さんが創業したシャープは、われわれ日本人の誇りでした。液晶テレビは日本の技術力の代名詞でした。

しかし、社長と取締役の信頼関係がうまくいかず、早川徳次さんが苦労して積み上げたものを食いつぶし、あっという間に赤字をつくり、社員を不幸にしたことは記憶に新しいと思います。

組織の観点から述べると、報告・連絡・相談・確認の遮断が繰り返し行われ、危うい状況が続いた結果、判断ミスで破綻したのです。いまは台湾の会社になっています。

誰ががん細胞だったかは定かではありません。シャープという会社の存在を無視して、個々が「私心第一で経営をしていたのではないか」と推測されています。

自己成長→チームの成長→お客様の喜び→自社の発展

私は、可能思考能力の発揮こそが企業を救うと信じています。どんなに悪い社風や苦しい状況でも、自己成長→チームの成長→お客様の喜び→自社の発展という、この善循環をつくり出すことで、他社にない差別化を生み出し、競争優位を確立することができます。

そのためには可能思考能力のスイッチをオンにすべきです。誰もが持っている能力

を発揮さえすれば、必ず魅力的で素晴らしい会社にすることができます。管理力とは、社長や部下の思考回路に存在する、「うちの会社は無理だ」「できない」「やれない」「忙しい」という、可能思考能力の発揮を妨げているスイッチ・オフ状態を解除する力のことです。

本記事は、月刊『理念と経営』2019年3月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。

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