企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
管理力
2018年10月号
崇高な使命感こそが、人間に与えられた特権である

幹部はリーダーである社長の模範的フォロワーであるべきです。会社のためになら、率先して提案し部下の指導をしましょう。
ストレスでノルアドレナリン(ストレスに反応して脳内で分泌される神経伝達物質)をためやすい立場ですが、その適正な緊張が能力を倍加させるのです。
「散る気はよろしからず」と述べた幸田露伴先生
人間はリラックス状態のときは、セロトンという脳内物質を出します。副交感神経が働き、気持ちは落ち着きます。
しかし、この状態が長く続くと課題が残ります。
ゆとり教育の弊害があちこちで起きていますが、これは生徒側にあるのではなく、こうした政策を打ち出した官僚や政治家、親にも責任があります。
このような弊害を、明治の作家・幸田露伴先生は「散る気」と呼び、「くれぐれも散る気はよろしからず」と述べています。
たとえ、聡明で資質のある人でも、のんびりムードで散る気の幹部は、
1 何に対っても十二分に仕事はできず、
2 剣を執って人と相闘っているとすれば、一念の逸れると同時に斬り殺され、
3 碁を囲めば深謀遠慮のある手段は案じ出し得ず、
4 算術も最も易しい寄せ算もできぬと、事例を引いて述べています。
「気の散るのは実に好ましからぬ事である。
多くの学生の学業の成績よろしからぬものを観れば、その人多くは聡明ならざるが故にあらずして、その人多くは散り乱るる気の習癖がある故である。
世間の凡庸者失敗者というものを観察すると、(中略)一事成るなく寸功挙がるなくして年を経て居るものが決して少くない」『努力論』(岩波書店)と。
最近は日本中が緩んでいるようで、テレビのリモコンを押すと、おいしいもの、旅行、笑いの番組だらけです。
片一方では、社長力で紹介したドクター・ヘリのスタッフのように使命感に燃えて生きる人も大勢いる中、日本の未来をどうするつもりなのか。
若い頃から辛酸を舐めていると、確かにそのたびごとに緊張が続きます。
しかし、問題解決のためにノルアドレナリンを分泌して、さまざまな解決策で乗り切って成功してきたのです。
そのプロセスこそが幹部の能力開発です。
現代社会は日本人の緩みが強すぎるのではないか
最近、適度なノルアドレナリンが人間の能力を高める働きをするという説があります。
本記事は、月刊『理念と経営』2018年10月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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