企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論
管理力
2018年4月号
働く人々にいかに活躍の場を与えるかが、企業の盛衰を分ける

企業の目的はお金もうけではありません。どれだけ社会に役立っているか。働く人々が常にそのことに関心を持ち、仕事の意味を問いかけ、お客様の問題を解決できれば、経常利益率10%は夢ではないのです。
GEには働く人々を大切にする強い決意があった
会社は〝社会的存在〞です。働く人々が共通の目的を把握し合い、目的実現のために「協働の自発性」を高める共同体です。日本的な企業経営の根幹にあるものは、「世のため人のため」の存在として、内外にその価値を高めていく点に特徴があります。
内にあって最大の課題は、働く人々のエンゲージメント(愛社精神)です。以前はES(従業員満足)といわれて、盛んにそうした一連の運動が起こりました。このESの概念も欧米からきたものですが、私がスタフォード大学に客員研究員として赴任した頃には、このエンゲージメントの研究やリテンション(働く人の維持・保持)の研究もなされていました。
アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)の〝中興の祖〞ジャック・ウェルチ氏のAプレーヤー、Bプレーヤー、Cプレーヤーの考え方も賛否両論ありますが、実際に危機的な状況にある企業を再生させる策であり、安易な批判をしてはならないと思います。
Aプレーヤーの優れたグループのリテンション(人材の保持)は企業の死活問題です。会社の価値観にも合い、優れた業績を果たす方々を失うことで、他の人たちの雇用にも影響が出るわけです。決して甘やかすという考え方ではありません。
Bプレーヤーは、会社の価値観には合うけれども、なかなか業績に結び付かない方々です。このBプレーヤーを教育次第でAプレーヤーにしていくという、強い決意がGEにはありました。人間否定ではなくこうした人間尊重の考え方は、われわれ中小企業も学ばなければなりません。
「経常利益率10%」は人を活かしてこそ実現可能
課題はCプレーヤーです。ジャック・ウェルチ氏は、会社の理念に本心から共感できない会社に勤めて、無駄な時間を費やすよりも、早く転職したほうが良いと考えました。しかし、この考え方を実行に移し、退職勧奨を行いますが、マスコミの強いバッシングに遭いました。
本記事は、月刊『理念と経営』2018年4月号「企業の成功法則 社長力・管理力・現場力 三位一体論」から抜粋したものです。
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