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【用語】3月号(4)

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● 先義後利(3月号42ページ)

 「先義後利」は、大丸の経営理念として有名です。

 大丸百貨店の創業者である下村彦右衛門は、
 大丸の商魂を表現するものとして、
 「先義後利」を掲げました。

 意味は、「義」を先にして「利」を後にする、
 ということです。

 正しい筋道を守って商売することで、
 利益は後からついてくるということを表します。

 有名なエピソードとして、
 天保の大塩平八郎の乱の時、他の商店が焼かれる中、
 「先義後利」を実践してきた大丸百貨店は、

 「大丸は義商なり。これを侵すなかれ」

 として焼き討ちを免れ、民衆もそれに賛成したそうです。

 企業の社会的責任がいかに重要かを示す事例だと思います。

【用語】3月号(4)

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●暗黙知(3月号47ページ)

「あん・もく・ち」と読む。

言葉・数式・図表で表現できない主観的・身体的な知。
例えば、勘・直観・個人的洞察・経験に基づくノウハウ。

一方、言葉や文章、数式、図表などによって
表出することが可能な客観的・理性的な知のことを
「形式知(けい・しき・ち)」と呼ぶ。

一橋大学大学院の野中郁次郎教授は、
自身の著書である「知識創造企業」の中で、
個人・組織の間で、暗黙知と形式知を
相互に絶え間なく変換・移転することによる
新たな知識創造のプロセスをSECIモデルと呼んだ。
●SECIモデル(せき・もでる)

「共同化⇒表出化⇒連結化⇒内面化」
というプロセスを経ることで、知識の共有・活用を行う
ナレッジ・マネジメントの基礎理論。

○共同化(Socialization)
共体験などによって、暗黙知を獲得・伝達するプロセス
○表出化(Externalization)
得られた暗黙知を共有できるよう形式知に変換する
プロセス
○連結化(Combination)
形式知同士を組み合わせて新たな形式知を創造する
プロセス
○内面化(Internalization)
利用可能となった形式知を基に、個人が実践を行い、
その知識を体得するプロセス
各ステップを営業パーソンの例で簡単に解説すると、
以下のようになります。

営業部門に配属された者が、
先輩との同行営業やロールプレイなどで、
体で営業のノウハウを学ぶ段階が「共同化」です。

体で学んだ営業ノウハウを、
マニュアルなどにまとめていく段階が「表出化」です。

営業部門のミーティングなどで意見交換を行い、
マニュアルをレベルアップさせ、
自社の営業プロセスを標準化していく段階が「連結化」です。

標準化されたマニュアルを用いて実際に営業してみて、
一人ひとりが体に覚え込ませていく段階が「内面化」です。

そして、
マニュアルを体得した営業パーソンが、
新たに配属された者を同行営業などで教育するなど
「共同化」の段階に戻ります。

このように、
SECIモデルは、継続的に循環する必要があるため、
「知識創造スパイラル」と言われる。
●マイスター制度(3月号47ページ)

ドイツの職能訓練制度。

“マイスター”とは日本語で言うと、「親方」や
「名人」を意味し、13世紀のドイツ中世都市に住む
手工業者たちの間で生まれた。

1953年に職業訓練制度として法制化され、
工業化の進んだ現在では“手工業マイスター”と
“工業マイスター”の2種類が存在する。

マイスターになるためには試験に合格することが必要で、

マイスターの称号は、
熟練技術者にとって最高国家資格である。

マイスターになるためには、
必要な技能と理論を長い年月をかけて学ぶ必要がある。
見習いとして3年間は働きながら職業学校に通い、
さらに「徒弟」として3~5年間の研修を受けた後、
認定試験に合格しなければならない。

手工業法で指定された業種で開業するためには
マイスターの資格がなければ許可されないという規制もある。

経済環境の近代化の中でマイスター制度も転換を迫られ、
2003年、ドイツ政府はマイスター制度対象職種のうち、
53業種についてマイスターの資格を不要とした。

廃止の対象となった業種は、
比較的技術の習得が容易であったり、
生命に危険を及ぼす恐れがないなどと判断された業種であり、
自動車工業など安全面や品質が重視される業種には
引き続きマイスター制度が適用されている。

3月号読みどころ(4)

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_________________________
3月号
月刊「理念と経営」の読みどころ(4)

「企業事例研究 2」
ヒーハイスト精工株式会社 代表取締役社長 尾崎浩太
__________________ P42~P49 _

「年功序列」
「終身雇用」
「企業内労働組合」 ・・・

日本型経営の代名詞とも言えるこれらの言葉が、
古臭い経営手法のように述べられます。

転じて、日本型経営自体が古い経営手法である
と言われることもあります。

確かに時代は変わり、
「日本型経営」は時代遅れと言わざるを得ません。

しかし、
日本型経営の根本を流れる「日本的」な価値観は、
日本の文化であり、日本でこれを無視した経営は
絶対に成り立ちません。

すなわち、
「日本的」な価値観に基づく「日本的経営」こそ、
これからの時代で最も重要な経営手法なのです。

月刊「理念と経営」が主張する日本的経営とは、
経営理念を重視した、人間主役の経営スタイルです。

ヒーハイスト精工株式会社様は、
日本的経営の特徴を生かした経営をされており、
順調に業績を伸ばしている精密部品メーカーです。

他社にない独自技術を追求するという経営姿勢で、
2004年にはジャスダックで株式を公開されました。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■ 独自の評価システム
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

皆さんの会社は、どんな評価制度ですか?

現在の評価制度の潮流は、成果主義へ傾倒しています。

確かに、「売上高」や「利益額」などの
数値面での評価は、分かりやすい一面があります。

評価基準が数値だけで測定できる方が、
評価する上司側は気楽かも知れません。

しかし成果主義では、
技術力のような、長年の蓄積が必要な要素を
適切に評価することはできません。

どうしても、短期的な成果を重視してしまいます。

これが成果主義が効果的に機能しない一因です。

企業にとって、独自の技術力・ノウハウは、
なによりも大切な資源です。

同社の技術力を支える要因である
ファイスター制度という評価システムを紹介します。

※ファイスターとは、ドイツのマイスター制度と
社名を掛け合わせた造語

同社のファイスター制度は、一種の技能評価ですが、
技術だけで評価する制度ではありません。

評価については、
資格や検定で評価するのではなく、
上司の推薦と審議会によって決定します。

面白いことに、技能だけでなく、
「難しい仕事に挑戦した」とか、
「協調性」、「意欲」、「人間性」なども加味します。

評価のランクは3ヶ月ごとに改選がありますので、
一度選ばれても安心はできません。

常に上位を目指すインセンティブになります。

ファイスター制度についての尾崎社長の言葉です。

「資格を取ればお祝い金や技能手当てを出す
仕組みなどを実施していたのですが、
その資格があまり本当に日々の業務と直結して
役立っているのかと言うと疑問がありました。

(中略)

それに、担当業務によっては、
その業務に関連する資格試験が存在しない場合も
あるわけです。当社のベアリング組み立てなどは、
検定試験がない。

そういう社員さんには光が当たらなくなって
しまうんです。

それではいけない。もっと現場に即した
技能評価をしようということで始めました。」

資格や検定試験、または定量的な面だけで評価すれば
ある面で楽かもしれません。客観的に判断できるからです。

しかし、
それでは報われない社員さんが出てきてしまいます。

同社が技術力を強みにできたのは、
単に良い技能評価制度を作ったからではありません。

技能評価制度の根底に流れている
「社員さんに光を当てたい」という経営者の熱い想いが
同社の技術力を育てていったのです。

【用語】3月号(3)

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●H.A.サイモン教授(3月号29ページ)

ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ。
1942年にシカゴ大学から政治学博士号を取得、
イリノイ工科大学を経て
1949年からカーネギーメロン大学の教授。

組織の人間の限定合理性と意思決定過程の研究を行ない、
またその一方で人工知能のパイオニアでもあり、
幾つもの意思決定支援システムの構築に携わった。

1975年 アラン・チューリング賞受賞
1978年 ノーベル経済学賞受賞

著作
『組織行動』ダイヤモンド社
『学者人生のモデル』岩波書店
『システムの科学』パーソナルメディア社
『オーガニゼーションズ』ダイヤモンド社(March,J.H.共著)

3月号読みどころ(3)

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  3月号
      月刊「理念と経営」の読みどころ(3)
      
           「企業の成功法則」
       ~ 社長力・管理力・現場力 ~
____________________ P27~P33 _

 今回のテーマは「意思決定」です。

 意思決定論で有名なのは、H.A.サイモン教授です。

 サイモン教授は、組織における意思決定を階層別に、
 上位から
 「トップ・マネジメント」 
 「ミドル・マネジメント」
 「ロワー・マネジメント」に区別しています。

 月刊「理念と経営」では、分かりやすくするために、
 「トップ・マネジメント → 社長力」
 「ミドル・マネジメント → 管理力」
 「ロワー・マネジメント → 現場力」としています。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ■ 全ての階層に共通すること      
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

  全ての階層で共通するのは、意思決定のプロセスです。

  「意思決定のプロセス」

      情報活動 → 企画活動 → 選択活動

  
  簡単に説明すると、

    意思決定に必要な情報を収集し(情報活動)、

    選択可能な複数の代替案を作成し(企画活動)、

    自社の発展に寄与する案を選択する(選択活動)、

  というプロセスを経て、意思決定がなされるということです。

  収集する情報や、企画する代替案の内容などは、
  各階層によって異なってきます。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ■ 3月号の『企業の成功法則』の読みどころ      
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

  過去1年間で行った意思決定を振り返って下さい。

  
  自分が果たすべき責任に沿った意思決定でしたか?

  今回の「企業の成長法則」は、
  『自分がすべき意思決定とは何か?』という
  問いを持ちながら読んで頂きたいと思います。

  自分の果たすべき責任が明確でなければ、
  どんな情報を集めれば良いのかが分かりません。
 

  つまり、情報活動がピント外れになります。

  情報活動が適切でなければ、
  企画活動・選択活動もうまくいきません。
  

  また、管理力・現場力について言うと、
  「経営者(会社)の方針や戦略」が
  情報活動の一環で収集されます。

  つまり、経営者の方針・戦略が間違っていると、
  管理力・現場力も間違った方向に進むということです。

  逆のことも言えます。

  
  現場から歪んだ情報が管理職・経営者に上がると、
  社長力・管理力が間違った方向に進みます。

  
  この典型的な例が、P32のE社の事例です。

  破綻の直接的な原因は現場のミスですが、
  潜在的には、社長力・管理力の欠如によるものです。

  社長力・管理力・現場力は
  三位一体でなければなりません。

【用語】3月号(2)

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●ONE to ONE マーケティング

 ドン・ペパーズ氏とマーサ・ロジャース氏が
 唱えている概念。

 全ての顧客は異なっているという前提に立ち、
 情報技術を駆使することで、
 顧客との長期安定的なリレーション(関係)を
 構築しようとするマーケティング手法。

 平たく言えば、
 お客様一人ひとりに合った対応することで、
 満足を提供し何回も買ってもらう、ということ。

3月号読みどころ(2)

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_________________________
3月号
月刊「理念と経営」の読みどころ(2)

「企業事例研究 1」
株式会社たこ満 代表取締役 平松季哲
___________________ P18~P25_

3月号企業事例研究の1社目は、株式会社たこ満様です。

たこ満様は、
静岡県菊川市に本社を置き、
「身土不二」の考えで商品開発を行う菓子製造・販売企業です。

「身土不二」とは、
その土地で採れた旬の素材を新鮮なまま味わうこと、つまり、
土地のものを土地の人が食することが、人の体にとって
一番自然である、という考え方です。

同時に、地元貢献にもつながる考え方です。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■ 経営理念を生んだ平松氏の感性
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

「いまの経営者のなかには割り切った人もいます。
たとえば、給料を払っているからいいじゃないかと。

しかし、時間というのは命ですよね。
しかも、はたちからなら、たとえば60歳定年。

40年間の命を預かるわけです。

その命を粗末に扱ってはいけないという発想がないと、
理念も生まれないし、本当の意味の経営はできない。

われわれ、中小・零細企業は、
そんな考え方ではいけない、
との想いがどこかにあるのです。」

上の言葉は、平松氏の言葉です。
これは、理論理屈を超えた感性から湧き出たものです。

この平松氏の想いが、次の経営理念を生み出します。

『一人のお客様の満足と、一人の社員の幸せ』
平松氏は“一人”にこだわりがあります。
“一人”のお客様と“一人”の社員。
なぜ“一人”にこだわりがあるのか?
答えは、冒頭の平松氏の言葉にあります。
平松氏は、美辞麗句で“一人”と言っている
わけではありません。

「時間=命」を預かるという想いがあるからこそ、
お客様や社員さんを“塊”で見るのではなく、
唯一無二の価値ある存在として見ているのです。
最近は、
ONE to ONE マーケティングなど、
「個」の重視が叫ばれ、情報技術の進展に伴い、
顧客を細分化して認識する技術も進歩しています。

しかし、
いくら情報技術が進歩しても、
そこに魂が入っていなければ、
お客様の感動を得ることはできません。

メッキはすぐに剥がれてしまいます。
たこ満様のように、
経営者の哲学から湧き出た経営理念だけが、
お客様や社員さんの共感を生み、
売上・業績につながっていくのです。

二代目経営者である平松氏が、
どのような経緯で自身の哲学を深めていったのか、
本誌で確認して下さい。