たった一代で押しも押されもせぬ和洋菓子メーカーへ その経営力の核心は、徹底したお客様目線にある

たった一代で押しも押されもせぬ和洋菓子メーカーへ その経営力の核心は、徹底したお客様目線にある


株式会社シャトレーゼホールディングス

皆さんもご存じの通り、テレビでもよく商品が紹介され、

熱狂的なファンも多い和洋菓子メーカーです。

元はわずか4坪の小さな焼き菓子店であり、

そこから現在に至るまで現会長の斎藤氏が

たった一代で築き上げてこられました。

どのようにしてここまで押しも押されもせぬ

和洋菓子メーカーへ育ったのでしょうか。

月刊「理念と経営」2022年3月号掲載の巻頭対談にて、

「経営戦略」を研究してきた淺羽茂教授が、

シャトレーゼ経営の凄みの神髄に迫っています。

斎藤 寛:1934年山梨生まれ。54年、焼き菓子店「甘太郎」を創業。

5年後、有限会社甘太郎を設立し、代表取締役に。64年に大和アイスを設立。

67年、2社を統合し株式会社シャトレーゼに。2008年、代表取締役会長に就任。

10年、関連事業も統括して株式会社シャトレーゼホールディングスに商号変更し、

代表取締役社長に就任。18年から同会長。

《シャトレーゼは、なぜ「おいしくて安い」のか》 

齊藤 ー私は昔から勉強するのがあまり好きじゃないんですよ。

私の経営は、本で学んだことや人から教わったことではなく、すべて自分で考えたものです。

淺羽 ー齊藤会長は常に〝大企業がやらないこと、中小企業だからできること〟に注力してこられました。

これは経営戦略としても理にかなったやり方だと思います。

齊藤 ー私の実家は山梨県勝沼町でぶどう園とワイナリーを経営していまして、

長男の私は本来家業を継ぐはずだったんです。

ところが、弟が「甘太郎」という焼き菓子店を始めてうまくいかなかったということがあって、

私がその焼き菓子店を経営することになりました。

偶然からお菓子の世界に入ったわけです。

ですから、私は菓子職人の修業を積んだわけではありません。

いま考えてみると、逆にそれがよかったですね。

修業して菓子屋になっていたら、自分の技術を認めてもらいたいから、

「いかにそのお菓子を高く売るか」を考えたでしょう。

高く売れた分だけ、自分が認められたということになるわけですからね。

淺羽 ー安く売ることに抵抗がなかったからこそ、

シャトレーゼの「おいしくて安い」が追求できたのですね。

齊藤 ーええ。「おいしくて安い」の追求は、最初の「甘太郎」のころから始まっていました。

戦後間もないころですから、お菓子を作るにもサッカリンやズルチンといった人工甘味料が全盛でした。

そんな時代に、私の店は最初から上白糖と北海道産の小豆を使って「本物の味」で勝負したんです。

おいしいと評判になって、朝から晩まで行列ができました。

≪月刊「理念と経営」2022年3月号 巻頭対談P8より引用≫

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株式会社シャトレーゼホールディングスが人気の理由の一つである

「おいしくて安い」が実現されたのは、最初は偶然ではあったとありますが、

いかに価値のあるものを安く売るかという考え方が根本にあったからこそと感じます。

ただ安いだけではなく、「本物の味」を追求する

だからといって、自分を認めてもらおうというような高い価格設定はしなかった。

そこが、今の幅広い世代からの支持に繋がっているではないでしょうか。

昨今、コロナ禍や戦争により物価上昇等で買い控えも起こっています。

そんな今だからこそ、消費者のニーズに合う「価値ある商品」をいかに創り出し、

いかに「安く」できるかを工夫することが強く求められるのではないかと考えます。

現に株式会社シャトレーゼホールディングスは、

このエネルギーの高騰や物価上昇の中でも

値上げせず、更に質をあげ、賃金も上げると従業員に宣言をしているといいます。

そして、2018年から今期3月までで売り上げは約2倍。

この結果も踏まえ、

質の良いものを安く売る工夫をできるかどうかが、

業績向上の秘訣と言えるのではないでしょうか。

このシャトレーゼホールディングスの事例が

御社の企業経営の参考になりますと幸いでございます。

続きが気になる方は【WEB記事】をご覧ください。

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